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職場におけるカサンドラ症候群の影響と上司への対処法

この記事では「職場におけるカサンドラ症候群の影響」について解説していきます。後半部分では「上司が原因でカサンドラ症候群になってしまった時の対処法」について解説しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

カサンドラ症候群とは?

カサンドラ症候群とは、パートナーや家族がアスペルガー症候群(ASD)を持つことで、コミュニケーションを取ることが難しくなり、その結果、身近な人が”不安”や”抑うつ”などの心身の不調を引き起こす状態です。特に、ASDの夫を支える妻がこの状態に陥りやすいとされています。

ASDの特性としては、共感力の低さや情緒的なサポートの不足が挙げられます。これにより、パートナーは孤立感や絶望感を強く感じることがあります。

なお、「カサンドラ症候群」という用語は心理学者によって提唱されましたが、正式な医学用語や診断名ではなく、精神疾患の国際的診断基準である「DSM-5」にも記載されていません。

そのため、周囲の理解を得ることが難しく、対処も困難な場合があります。しかし、諦める必要はありません。カサンドラ症候群への対処法として、カウンセリングを通じてストレスを軽減することが可能です。また、自助グループへの参加も有益です。同じ悩みを持つ人々と交流することにより、共感と支援を得ることができますので、根気強く取り組んでください。

職場におけるカサンドラ症候群の影響

カサンドラ症候群の影響は職場にも及びます。家庭でのストレスや孤立感は、仕事における集中力の低下を引き起こします。また、カサンドラ症候群の人々は情緒不安定になりやすいため、職場での人間関係にも悪影響を及ぼすことがあります。

特に、同僚や上司とのコミュニケーションに問題が生じ、摩擦が増えることが考えられます。このため、カサンドラ症候群の方は、些細な問題でも大きなストレスを感じ、その結果、職場でのパフォーマンスが低下する可能性があります。また、周囲の理解が不足していると、さらに孤立感が深まり、悪循環に陥ることもありますので、ご注意ください。

上司が原因でカサンドラ症候群になってしまった時の対処法

上司がASD(アスペルガー症候群)や発達障害である場合、部下がカサンドラ症候群に苦しみ、情緒不安定に陥る可能性があります。具体的には、上司が感情をうまく伝えられないため、部下は孤立感やストレスを感じやすくなります。また、上司と部下の間で”理解のズレ”が生じるため、部下のモチベーションにも悪影響を及ぼします。

その結果、部下の体調不良やパフォーマンスの低下につながる可能性がありますので、絶対に放置してはいけません。このような状況を改善するためには、職場での相互理解を深めることが不可欠です。定期的なコミュニケーションや教育を通じて、ASDとカサンドラ症候群に対する理解を促進し、部下の支援策を考えることが重要です。

さらに、職場全体でのメンタルヘルスサポートを強化し、ストレス管理プログラムを提供することで、部下の「働きやすさを促進する体制」を整える必要があります。これにより、上司と部下の間での理解と信頼が築かれ、職場全体の雰囲気が改善されることが期待できます。

なお、発達障害の上司に見られる特徴は以下の通りです。

<発達障害の上司の特徴>

  • 自分の非を認めない
  • 非現実的な目標や提案を思いつきで行うことがある
  • 部下のミスを責め立てるだけで解決しようとしない
  • 報告したことを完全に忘れていることがある
  • 仕事に支障が出る嘘をつくことがある
  • 部下への配慮や思いやりに欠ける
  • ストレスを感じていると辛く当たったり、物に当たったりする
  • 書類やゴミが机に散乱していて汚い
  • 理論的ではなく感情的に話す
  • 問題が起きるとすぐにパニックになる
  • 衝動的に動いてミスをすることがある

カサンドラ症候群の治療法について

カサンドラ症候群によって抑うつ症状が生じた場合、強い孤独感や精神的な疲労を感じて、集中力が著しく低下します。これにより、日常の業務に対する注意が散漫になり、ミスが増えることがありますので、放置してはいけません。

カサンドラ症候群の治療には、「適切な医療支援」と「関係性改善のための支援」が必要です。まず、強い落ち込みや不安、不眠症状などがある場合は、医師の診察を受けて症状の緩和を目指してください。また、臨床心理士によるカウンセリングも感情の整理に効果的です。専門家との対話を通じて、抑うつや不安を軽減してください。

さらに、パートナーとの関係改善のために、家族療法やカップルセラピーを受けることも大切です。ASDのパートナーとの理解のズレを改善するため、カップルセラピーや行動療法を活用してください。

なお、自助グループへの参加も有益です。同じ悩みを持つ人々と交流することで、共感と支援を得ることができます。同じ悩みを持つ者同士で感情を共有することで孤立感を軽減してください。

以下の記事で具体的なカサンドラ症候群への対策や治療法を紹介しています。

【医師監修】カサンドラ症候群とは何か?症状や原因、なりやすい人の特徴や対策を解説

月島、豊洲でカサンドラ症候群にお悩みの方へ

カサンドラ症候群はそれ自体は医学的な診断名ではありませんが、その背後には「うつ病」や「睡眠障害」などの精神疾患が潜んでいる場合があります。これらの精神疾患に対しては、薬物療法やカウンセリングによる症状改善が期待できます。

現在、「なかなか寝付けない」、「睡眠中に何度も目が覚める」、「倦怠感が強く何もやる気が起きない」、「ひどく気分が落ち込む」などの症状にお困りの方は、一度精神科や心療内科を受診してみることをおすすめいたします。

当院をはじめ、精神科クリニックによっては自費診療でカウンセリングが受けられる場合があります。カウンセリングでは、カサンドラ症候群をはじめとした人間関係の悩みについても、問題を整理し解決策を探ることができます。

月島、豊洲でメンタル不調で休職中の方へ

また、当院ではメンタル不調により休職中の方に向けて、リワークプログラムを通じて、ストレスの軽減や精神的な支援を行っています。リワークプログラムとは、うつ病などのメンタル不調によって休職中のビジネスパーソンのための「職場復帰支援プログラム」です。当院では、「通勤訓練コース」と「リワーク標準コース」の2種類のコースをご用意しております。

<通勤訓練コース>

通勤訓練コースでは、復職に向けて生活リズムを整え、働く感覚を取り戻すことを目的としています。このコースは約1か月間、職場で必要なスキルを学びながら安定して通所し、作業に集中できる状態が整っているかを確認します。これにより、復帰への不安を軽減していきます。

また、休職に至った経緯の振り返りや、再休職の予防についてもミニレポートを作成します。なお、通所が安定している場合は、標準コースのグループワークに一部参加することも可能です。最初は週に3日通所から始め、徐々に通所日数を増やしていきます。

<リワーク標準コース>

リワーク標準コースは、休職の経緯を振り返り、再休職の予防を目指す、リワークの標準的なコースです。このコースでは、集団認知行動療法(CBT)やアサーションスキルを学ぶプログラムを通じて、自分自身を見つめ直し、ストレス対処のスキルを向上させていきます。

グループワークでは、他者と協力して業務を進める感覚を取り戻し、休職経験を共有し合うことで、共感できる悩みについて話し合います。また、各種プログラムとスタッフとの面談を通して、休職の経緯や再休職予防策を練っていきます。そして、再休職予防レポートにまとめ、復職後に活用できるように準備していきます。

なお、リワーク標準コースは、週2日通所から開始し、通所日数を徐々に増やしていきます。利用期間は最短で4か月からですが、グループワークや教育プログラムの開催タイミング、各自のプログラムの進捗状況によって異なります。

当院のリワークプログラムは、他の精神科医療機関へ通院中の方でも、主治医を変更せずにご参加いただけます(主治医からの紹介状は必須です)。もちろん、リワーク期間中だけ当院に転医することも、リワーク期間の途中で転医することも可能ですので、当院のリワークプログラムにご興味のある方は、お気軽にご相談ください。私たちが皆様の復職への道のりを支え、安心してプログラムを進めていただけるように尽力いたします。

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