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双極性障害になると脳が縮む?脳萎縮の原因と予防、対策を解説

双極性障害と脳萎縮の関係を表す脳の画像と気分の波を示す図
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「双極性障害を抱えていると脳が萎縮するって本当?」「脳の萎縮は認知機能に影響するの?」このように不安や疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。

双極性障害は気分の高揚した「躁状態」と落ち込む「うつ状態」を繰り返す精神疾患です。近年の研究により、この疾患と脳の構造変化との関連性が徐々に明らかになってきました。特に注目すべきは、双極性障害の方は一般の方と比べて脳の一部が萎縮する可能性が高いという点です。

本記事では双極性障害と脳萎縮の関係について、最新の研究結果をもとに解説します。脳萎縮のメカニズムや治療法、予防法についても紹介していきますので、参考にしてください。

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目次

双極性障害とは?症状と基本知識

双極性障害の躁状態とうつ状態を表す感情の波グラフと主な症状イラスト

双極性障害は、以前は「躁うつ病」とも呼ばれていた精神疾患です。気分や感情が大きく揺れ動く状態を特徴としており、躁状態とうつ状態を繰り返します。

躁状態では、異常に気分が高揚し活動量が増加します。普段より睡眠時間が短くても元気に過ごせたり、自信過剰になったり、考えが次々と浮かんで集中できなかったりします。また浪費や衝動的な行動が見られることもあります。

うつ状態では、気分が落ち込み何事にも興味や喜びを感じなくなります。疲れやすくなり、自分には価値がないと感じたり、集中力や決断力が低下したりします。ひどい場合は死について考えることもあります。

双極性障害は主に双極I型障害と双極II型障害に分類されます。I型は完全な躁状態を経験するのに対し、II型は軽躁状態までで完全な躁状態には至りません。軽躁状態は、躁状態の症状が軽く数日間で治まる状態を指します。

発症年齢は10代後半から20代が多く、日本では約100人に1人が生涯で経験するといわれています。遺伝的要因やストレス、脳内の神経伝達物質のバランス異常などが原因と考えられていますが、完全には解明されていないのが現状です。

双極性障害で脳が萎縮する理由

双極性障害による脳萎縮のメカニズムを示す医学イラスト

双極性障害と脳萎縮の関連については多くの研究が行われてきました。なぜ脳萎縮が起こるのか、そのメカニズムについては複数の要因が関与しています。

神経伝達物質のバランス異常

まず神経伝達物質のバランス異常が挙げられます。双極性障害の患者さんの脳では、ドーパミンやセロトニンなどの神経伝達物質のバランスが崩れていることが知られています。特に躁状態とうつ状態の繰り返しは、これらの物質の増減と関連しています。

躁状態ではドーパミンが過剰に放出され、うつ状態では減少しているという報告があります。こうした神経伝達物質の長期的な不均衡は神経細胞に負担をかけ、最終的に細胞死や萎縮につながります。

脳血管障害の影響

次に、血管障害との関連も注目されています。双極性障害の患者さんの脳には特徴的な毛細血管障害が見られることが報告されています。脳の毛細血管内皮細胞にフィブリンが沈着し、脳内へのグルコース取り込みが不全になるという異常が見られます。

このような血管障害は脳細胞へのエネルギー供給に影響を与え、長期的には細胞の機能低下や死滅を引き起こします。

炎症・酸化ストレスの関与

さらに炎症や酸化ストレスの影響も考えられます。双極性障害では体内の炎症レベルが上昇していることが報告されており、慢性的な炎症や酸化ストレスは神経細胞にダメージを与え、脳萎縮を促進する要因となります。

双極性障害の脳萎縮とうつ病・統合失調症との違い

双極性障害、うつ病、統合失調症の脳構造変化の比較画像

双極性障害、うつ病、統合失調症はいずれも脳の構造変化を伴うことが知られていますが、それぞれ異なる特徴があります。これらの違いを理解することは、適切な診断と治療につながる重要なポイントです。

うつ病との脳構造の違い

双極性障害とうつ病は臨床症状が似ているため、診断が困難な場合があります。しかし脳の構造変化には明確な違いがあることがわかっています。

双極性障害では、うつ病よりも前頭葉の特定部位、特に背外側前頭前皮質や前帯状皮質の萎縮が顕著であることが報告されています。これらの領域は感情制御や意思決定に重要な役割を果たしているため、この違いが双極性障害とうつ病の症状の差異に関連しています。

また、うつ病では海馬の萎縮が特徴的ですが、双極性障害ではそれに加えて扁桃体や前頭前皮質などより広範囲に影響が及ぶことがあります。これは双極性障害の複雑な症状パターンを反映しています。

統合失調症との脳構造の違い

一方、統合失調症では脳室の拡大や側頭葉の萎縮がより顕著である傾向があります。双極性障害では感情制御に関わる部位の萎縮が特徴的ですが、統合失調症では思考や知覚に関わる部位の変化が目立ちます。

共通する脳毛細血管障害

興味深いことに、双極性障害、統合失調症、アルツハイマー病には共通する脳毛細血管障害が確認されています。これらの疾患には認知機能低下や幻覚妄想症状が出現しうるという共通点があり、根底にある病態メカニズムに共通性がある可能性が示唆されています。

双極性障害と脳萎縮に対する治療法

双極性障害の治療法を示す薬物療法と心理療法のイメージ

双極性障害と関連する脳萎縮に対する治療は、薬物療法と心理社会的アプローチを組み合わせて行われます。適切な治療は症状の改善だけでなく、脳の構造変化を防いだり改善したりする効果があります。

主な薬物療法としては、気分安定薬(リチウム、バルプロ酸など)や非定型抗精神病薬(アリピプラゾール、オランザピン)が使用されます。特にリチウムには神経保護作用があり、長期的な使用により脳萎縮を防ぐ効果が報告されています。

心理社会的アプローチとしては、認知行動療法や対人関係・社会リズム療法、家族療法などがあります。これらはストレス管理や社会機能の改善に役立ち、間接的に脳の健康維持に貢献します。

治療を継続することで、双極性障害の症状コントロールだけでなく、脳萎縮の進行を遅らせ、認知機能の維持・改善が期待できます。

双極性障害による脳萎縮の予防と対策

脳の健康を守るための生活習慣と予防策

双極性障害と関連する脳萎縮を予防・改善するためには、薬物療法や心理療法と併せて、日常生活での取り組みも重要です。以下に効果的な予防策と対策を紹介します。

規則正しい生活リズムの維持

規則正しい生活リズムを維持することが双極性障害の方にとって特に重要です。毎日同じ時間に起床・就寝する、食事の時間を一定に保つ、十分な睡眠時間(6時間以上)を確保するなどの習慣が必要です。

生活リズムの乱れは双極性障害の症状を悪化させる要因となり、結果的に脳への負担を増やす可能性があります。特に睡眠は脳の回復に重要な役割を果たしています。

適度な運動の習慣化

定期的な運動には、脳由来神経栄養因子(BDNF)の産生促進、ストレスホルモンの低減、気分の安定化、認知機能の向上などの効果があります。

研究によれば、週60分程度の中等度の運動でも効果が見られます。ウォーキングや水泳、ヨガなど無理なく続けられる運動を選ぶことがポイントです。

栄養バランスの良い食事

脳の健康を支える食事も重要です。オメガ3脂肪酸を含む食品や抗酸化物質が豊富な野菜や果物を積極的に摂取し、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸の過剰摂取を避けることが望ましいです。

ストレス管理と心のセルフケア

マインドフルネス瞑想や深呼吸などのリラクゼーション技法、趣味や創作活動などの気分転換できる活動を取り入れることが効果的です。必要に応じて周囲に助けを求め、過度な責任や仕事量を避けることも大切です。

アルコールと喫煙の制限

アルコールや喫煙は、双極性障害の症状を悪化させるだけでなく、脳萎縮を促進する要因となります。禁煙し、飲酒は控えめにすることが望ましいです。

双極性障害と脳萎縮の今後の研究と展望

双極性障害と脳萎縮の最新研究技術と将来展望

双極性障害と脳萎縮の関連についての研究は近年急速に進展していますが、まだ解明すべき点も多くあります。今後の主な研究の方向性として、より客観的な生物学的マーカー(バイオマーカー)の開発や個別化医療の推進が挙げられます。

これらの研究により、早期診断や最適な治療法の選択が可能になると期待されています。また、神経保護作用を持つ新薬の開発や脳の神経再生を促進する治療法など、新たな治療アプローチの研究も進んでいます。

こうした研究の進展により、双極性障害に関連する脳萎縮のメカニズムがさらに解明され、より効果的な予防法や治療法が開発されることが期待されます。

まとめ:適切な診断と治療で脳の健康を維持しましょう

双極性障害と脳萎縮の関係をまとめた概念図と治療・予防の重要性を示すイメージ

双極性障害と脳萎縮の関連について解説してきました。双極性障害では前頭前皮質や海馬などの脳領域に萎縮が見られ、この構造変化が症状に関連しています。

重要なのは、この疾患が単なる「気分の病」ではなく、脳の構造変化を伴う疾患だということです。早期発見・早期治療と継続的な自己管理が、脳萎縮の進行防止に重要です。

症状に心当たりがある方は専門医への相談をおすすめします。適切な治療と生活習慣の改善により、充実した日常生活を送ることが可能です。あなたの脳と心の健康のために、必要なときには医療機関を訪れてください。

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