りんかい月島クリニック

総合受付:050-1720-3538

Web予約はこちら

お問合せ随時可

総合受付:050-1808-7639

Web予約はこちら

コラム

りんかい月島クリニック

総合受付:050-1720-3538

Web予約はこちら

お問合せ随時可

総合受付:050-1808-7639

Web予約はこちら

コラム

双極性障害と不安障害の併発|症状・診断・治療法を分かりやすく解説

双極性障害と不安障害の併発を表現した心の波と不安のイメージ図
  • URLをコピーしました!

双極性障害と不安障害は、どちらも日常生活に大きな影響を与える精神疾患です。実は、この2つの病気が同時に現れる「併発」のケースは珍しくありません。気分の波が特徴の双極性障害に、過度の不安や心配が加わると症状はより複雑になり、治療も難しくなることがあります。

しかし、適切な診断と治療によって症状をコントロールし生活の質を向上させることは十分に可能です。この記事では、双極性障害と不安障害が併発する場合の症状の見分け方、治療法、そして日常生活での対処法について解説します。

月島クリニックの予約はこちら

豊洲クリニックの予約はこちら

目次

双極性障害と不安障害の症状と主な違い

双極性障害と不安障害の症状の違いを表した比較図

双極性障害の特徴と症状

双極性障害(躁うつ病とも呼ばれます)は、気分の極端な上下動が特徴的な病気です。うつ状態では気分の落ち込みやエネルギー低下が見られ、躁状態では異常な高揚感や活動性の増加が現れます。双極性障害における不安は主に気分の変動に伴って現れるもので、うつ状態の時に強まることが多いでしょう。このとき不安は「気分の症状の一部」として現れます。

双極性障害におけるうつ状態では「過去の出来事を後悔して落ち込む」傾向があり、時間軸としては過去に向いていることが特徴的です。

不安障害の特徴と症状

不安障害は過剰な不安や恐怖が主な症状となる障害です。不安そのものが中心症状となり、持続的に存在することが特徴です。また、不安の内容や対象が明確なことも多く、特定の状況や物事に対して強い恐怖や回避行動が見られます。

不安障害では「未来や先のことに対して心配する」という特徴があり、時間軸としては未来に向いていることが多いです。

併発時の症状と影響

これらの症状が併存する場合、例えば双極性障害のうつ状態に全般性不安障害が加わると、気分の落ち込みと同時に持続的な心配や身体的緊張感が現れるため生活への影響はより大きくなります。診断が複雑になることも多く、専門医による総合的な評価が重要になるのです。

双極性障害によく見られる不安障害の種類と特徴

双極性障害と併発しやすい不安障害の種類と特徴

双極性障害と併発しやすい不安障害にはいくつかの種類があります。全般性不安障害は最も併発率が高く、日常的な事柄への過度の心配が6ヶ月以上続き、筋肉の緊張や集中力低下などを伴います。パニック障害も多く見られ、突然の不安発作で動悸や息苦しさなどの身体症状が急に現れるのが特徴です。特に双極性障害の混合状態でパニック発作が起きやすくなることがあります。

社交不安障害は人前での行動に強い不安を感じる障害で、併発すると社会的孤立が進み回復を遅らせる可能性があります。他にも強迫性障害(不快な考えとそれを打ち消す行動が特徴)や限局性恐怖症(特定の対象への強い恐怖)なども併発することがあります。

これらの不安障害が双極性障害と併存すると、症状が互いに影響し合い診断や治療が難しくなります。双極性障害の気分変動で不安症状が悪化したり、逆に不安障害が双極性障害の治療効果を下げたりすることもあるのです。

不安障害との併発によるリスク

双極性障害と不安障害の併発による症状悪化リスクを示す図

双極性障害と不安障害の併発は様々なリスクをもたらします。まず自殺リスクが上昇することが研究で示されており、特に注意が必要です。また、治療への反応が鈍くなることも多く、症状改善までに時間がかかったり、治療の中断率が高くなったりする傾向があります。

気分エピソードにも影響があり、不安障害がある場合は躁状態やうつ状態がより頻繁に、また重く現れることがあります。特に「ラピッドサイクリング」(年4回以上の気分エピソード)になりやすいことが知られています。社会機能の低下も問題で、仕事や学業、対人関係などの機能が著しく低下し不安による社会的回避と気分の波が重なると社会参加が難しくなるケースも少なくありません。

さらに、症状が完全に落ち着くまでの期間が長くなる傾向もあります。これらのリスクは互いに関連して悪循環を形成することもあるため、双方の障害に対応した包括的な治療が不可欠です。

双極性障害と不安障害の併発時における治療アプローチ

双極性障害と不安障害の症状管理と治療アプローチの図解

双極性障害と不安障害が併発している場合、両方の症状に対応した総合的な治療アプローチが必要になります。基本的な治療戦略としては、まず双極性障害の気分安定化を優先することが重要です。気分の波が安定すれば、不安症状も改善することが多いからです。

効果的な薬物療法と気分安定薬の役割

薬物療法では気分安定薬が中心的役割を果たします。リチウムやバルプロ酸、ラモトリギンなどは双極性障害の症状を抑えつつ、不安症状の緩和にも役立つことがあります。非定型抗精神病薬、特にクエチアピンも両方の症状に効果的で、全般性不安障害との併発には第一選択薬として推奨されることもあります。

抗不安薬は短期的な不安緩和に役立ちますが、依存性があるため長期使用には注意が必要です。抗うつ薬の使用は特に慎重に行い、躁転リスクを避けるため必ず気分安定薬と併用し専門医の監督下で行うべきでしょう。薬物選択は個々の症状や副作用、過去の治療反応などを考慮し、定期的な評価と調整が必要です。

認知行動療法と対人関係療法の効果

心理療法も重要な治療法です。認知行動療法(CBT)は不安や抑うつを引き起こす否定的思考パターンを認識し、より適応的な思考に置き換える技術を学びます。行動活性化でうつ症状の改善も図ります。

対人関係・社会リズム療法(IPSRT)は対人関係の問題解決と規則的な生活リズム維持に焦点を当て気分の安定化を促します。マインドフルネス介入も両方の症状に効果があり、今この瞬間に意識を向け受け入れる実践が不安軽減に役立ちます。

グループ療法や家族療法なども有効で、特に家族療法はコミュニケーション改善とリカバリーサポートに寄与します。心理療法は薬物療法を補完し、両者の組み合わせで高い効果が期待できます。

併発時の自己管理と家族によるサポート

双極性障害と不安障害の症状に対する自己管理と家族サポートを表すイラスト

効果的な自己管理法

双極性障害と不安障害を併せ持つ場合、日常生活での自己管理が症状コントロールに大きく影響します。規則正しい生活リズム、特に睡眠パターンの安定は双極性障害の症状悪化を防ぐ鍵です。就寝・起床時間を一定に保ち十分な睡眠を確保しましょう。

  • ストレス管理も欠かせません。ストレスは両方の症状を悪化させるため、自分に合った発散法を見つけることが大切です
  • 症状のモニタリングも重要で、気分や不安レベル、睡眠時間などを記録することで変化に早く気づき、対処できます
  • 薬物療法の継続的な実施も成功の鍵です

自己判断での中断や用量変更は避け、副作用の懸念は医師に相談しましょう。またアルコールやカフェインは適量を心がけ、特にアルコールの過剰摂取は避けるべきです。

家族ができるサポート

家族は患者の変化に気づきやすい立場にあり、早期介入のきっかけを作れます。まず病気について正しく理解し、患者の困難を理解することが基本です。落ち着いた家庭環境を整え過度の刺激や緊張を避けることも症状安定に役立ちます。

  • 患者の話に耳を傾け否定せずに受け止める姿勢が大切です
  • 過保護にならず、自立を促すバランスも必要でしょう
  • 家族自身も心理教育プログラムや家族会に参加し、サポート方法や自身のケアについて学ぶことも検討してください

家族の心身の健康維持も長期的なサポートには不可欠です。

まとめ:より良い生活のために

双極性障害と不安障害の症状改善により向上する生活の質を示す希望のイメージ

双極性障害と不安障害の併発は決して珍しいものではなく、適切な治療と対応によって症状をコントロールし、充実した日常生活を送ることができます。

重要なのは、早期に専門医を受診し、正確な診断と適切な治療計画を立てることです。ご自身やご家族に心当たりがあれば、精神科や心療内科への相談を検討してみてはいかがでしょうか。

月島クリニックの予約はこちら

豊洲クリニックの予約はこちら

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次