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軽躁状態の正しい過ごし方とは?症状やセルフチェック方法、予防策も解説

軽躁状態の過ごし方を表現したイメージ
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軽躁状態は双極性障害の症状の一つで、気分が高揚し活動的になる一方で、適切な過ごし方を知らないと症状が悪化したり、うつ状態へ転じるリスクがあります。

本記事では、軽躁状態の特徴や見分け方から、日常生活での具体的な対処法、再発予防まで専門的な知識をわかりやすく解説します。軽躁状態でお悩みの方やご家族の方が、安心して過ごせるよう実践的なアドバイスをお届けします。

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目次

軽躁状態とは?基本的な症状と特徴

軽躁状態の基本的な症状と特徴を示すイラスト

軽躁状態は、躁状態ほど強くはありませんが、普段よりも気分が高ぶり、活動的になる状態です。医学的には「軽躁エピソード」と呼ばれ、双極性障害という病気の特徴のひとつとされています。

軽躁状態の主な症状は以下の通りです。

  • 気分の高揚や開放感
  • 自尊心の過度な高まり
  • 睡眠欲求の減少(3時間程度の睡眠でも疲れを感じない)
  • 話し続けたい衝動(多弁・多話)
  • 注意力の散漫さ(気が散りやすい)
  • やる気が強くなり、いろいろなことに手を出したくなる
  • 判断力の低下による危険な行動

これらの症状は日常生活に支障をきたすほどではないものの、周囲の人から見ると「いつもと違う」と感じられる程度の変化が現れるのが特徴的です。

軽躁状態と診断されるためには、このような状態が少なくとも4日間続く必要があります。単にその日だけ気分がいいというのとは違い、数日にわたって活発で楽観的な状態が続くのが特徴です。

重要なのは、これらの症状が本人にとって普段とは明らかに異なる状態であることです。

軽躁状態と双極性障害との関係

双極性障害と軽躁状態の関係性

軽躁状態は双極性障害と深い関係にあり、特に「双極性障害Ⅱ型」の診断ではこの軽躁状態がとても重要なポイントになります。双極性障害は大きく分けて「Ⅰ型」と「Ⅱ型」があり、それぞれ軽躁状態の現れ方や意味が少し違います。

項目 双極性障害Ⅰ型 双極性障害Ⅱ型
躁エピソード あり(完全な躁状態) なし
軽躁エピソード あり(診断に必須ではない) あり(診断に必須)
主な症状パターン 躁状態⇔うつ状態 軽躁状態⇔うつ状態
社会機能への影響 重度の障害 軽度〜中等度の障害
入院の必要性 躁状態時に必要な場合が多い まれ

双極性障害Ⅰ型では、軽躁状態だけでなく、もっと強い「躁状態」も経験するのが特徴です。躁状態になると、気分が高ぶりすぎて行動がコントロールできず、仕事や家庭に大きな支障が出ることもあり、入院が必要になるほど重くなる場合もあります。

双極性障害Ⅱ型では、Ⅰ型のような強い躁状態はありませんが、軽躁状態とうつ状態をくり返すのが典型的です。軽躁状態は気分がよく元気なので本人も気づきにくく、周りからもうつ病と間違われやすいことがあります。

躁状態と軽躁状態の一番大きな違いは、日常生活への影響の大きさです。躁状態になると判断力がかなり落ち、社会生活や仕事が続けられなくなることもあります。一方で軽躁状態ではむしろ活動的で調子が良いと感じることもあり、本人は問題に気づきにくいのが特徴です。

軽躁状態が起こる原因について

軽躁状態の原因となる生物学的・心理社会的要因のイメージ

軽躁状態になる理由はひとつではなく、いくつかの要素が重なり合って起こると考えられています。主に次の3つが影響していると言われています。

  • 生物学的要因
  • 心理社会的要因
  • 特定の誘発要因

それぞれについて簡単に説明します。

生物学的要因

脳内神経伝達物質のバランスが乱れることが軽躁状態の大きな原因のひとつとされています。具体的には次のような物質が関係しています。

主な神経伝達物質とその役割

  • セロトニン:気分の安定化、睡眠を整える
  • ドーパミン:やる気や喜びを感じる仕組みを調節する
  • ノルアドレナリン:目を覚ましたり、注意力を高める

これらの物質のバランスが崩れることで、軽躁状態特有の高ぶりや活動的になりすぎる状態が引き起こされます。

また遺伝の影響もあり、家族の中に双極性障害の人がいると、そうでない人に比べて軽躁状態になるリスクが高いことがわかっています。ただし遺伝的素因があっても必ずしも発症するわけではない点にも注意が必要です。

日常生活における様々なストレス要因が軽躁状態の引き金となることが知られています。

心理社会的要因

  • 引っ越しや転職などの環境の大きな変化
  • 人間関係のトラブル
  • 仕事上のプレッシャーや責任が増えること
  • 経済的な悩み
  • 家族関係の変化

意外かもしれませんが、昇進や結婚、出産などの「良いこと」でも、心理的な負担が大きいと軽躁状態を引き起こすことがあります。気持ちがついていくのに時間がかかり、心のバランスが崩れてしまうためです。

誘発要因

特定の状況や習慣、物質が直接的に軽躁状態を引き起こすこともあります。

季節的な影響:

  • 春から夏にかけて軽躁エピソードの発症率が上昇
  • 日照時間の増加による生体リズムへの影響
  • 気温上昇に伴う活動量の自然な増加

睡眠の問題:

  • 連続する睡眠不足(3日以上)
  • 交代勤務による生活リズムの乱れ
  • 時差ボケなどによる概日リズムの混乱

薬や物質による影響:

  • アルコールの過剰摂取
  • カフェインの大量摂取
  • ステロイド系薬剤の使用
  • 一部の抗うつ薬による誘発

軽躁状態のサインとセルフチェック方法

軽躁状態のサインとセルフチェック方法を表した図

軽躁状態は本人にとっては「調子がいい」と感じやすいため、気づきにくいことがあります。

ですが周りから見ると「いつもと違う」と感じられる行動や考え方が現れます。以下のサインに心当たりがないか、定期的に確認してみましょう。

軽躁状態のサインは行動面、感情面、思考面の3つのポイントから見ていきます。

行動面での変化

  • 朝から夜までずっと精力的に動き回る
  • 話すスピードや声の大きさが増える
  • 会話中に相手の話を遮ってしまう
  • 新しいプロジェクトや趣味に次々手を出す
  • 買い物の回数や金額が急に増える
  • 3〜4時間しか寝なくても平気に感じる

感情面での変化

  • 根拠のない自信や万能感
  • なんでも上手くいくと思い込む
  • 危険なことへの警戒心が薄れる
  • 自分を過大評価してしまう
  • 些細なことでイライラしたりする
  • 全体的に上機嫌で開放的な気分になる

思考面での変化

  • アイデアが次々に浮かび、まとまらない
  • 集中が続かず気が散る
  • 創造的な考えが止まらない
  • 衝動的に決めごとをしてしまう
  • いくつものことを同時に進めたくなる

これらのサインのうち3つ以上当てはまり、しかも4日以上続いている場合は軽躁状態の可能性があります。なるべく早めに専門医に相談しましょう。

普通の「気分がいい」との違いは?

普通に気分がいいのは、一時的で理由があります。軽躁状態は特に理由がないのに数日間続き、日常生活や周りの人との関係に影響が出るのが大きな違いです。

軽躁状態での適切な過ごし方

軽躁状態での適切な生活習慣と過ごし方

軽躁状態のときの過ごし方は、症状が悪化しないようにするためにとても大切です。上手にコントロールできればうつ状態や強い躁状態になるのを防ぐことができます。

生活リズムを整えるコツ

規則正しい生活リズムを保つことが、軽躁状態を安定させるための基本です。

  • 毎日同じ時刻に起床する(休日も同じ)
  • 就寝時刻を一定に保つ(夜更かしの誘惑に負けない)
  • 食事の時間もできるだけ決めておく
  • 寝る2時間前からスマホやパソコンを控える
  • 寝室の環境を整える(適切な温度や暗さ)

睡眠のポイント

軽躁状態では眠くならなくても体には十分な休息が必要です。しっかり眠れる工夫をしましょう。

  • 理想は7-8時間眠る
  • 寝つけなくてもベッドで安静にする
  • カフェインやお酒は寝る4時間前までにする
  • 昼寝は15分くらいまでとする
  • 寝室は眠るだけに使う

日常生活の注意点

軽躁状態ではつい動きすぎたり、無理をしたりしがちです。次のことに気をつけましょう。

運動は軽いウォーキングやストレッチ程度にして、栄養バランスのいい食事を規則的にとる

激しい運動や長時間の活動、カフェインのとりすぎは避ける

また軽躁状態では判断力が落ちていることがあります。次のような大きな決断は落ち着いてからにしましょう。

  • 大きな買い物や投資
  • 転職や退職
  • 重要な契約
  • 人間関係を大きく変えること
  • 引っ越しや生活環境の大きな変化

また人と関わりたくなる気持ちが強くなることがありますが、距離感を保つことも大切です。後でトラブルになることもあるので注意してください。

軽躁状態の治療方法

軽躁状態の治療方法と薬物療法を表現した医療イメージ

軽躁状態の治療は薬を中心に行います。症状や体質に合わせて最適な薬を医師が選びますが、その目的は今の症状を改善するだけでなく、将来の再発を防ぐことです。

主に使われる薬

軽躁状態の治療で使用される薬には以下のようなものがあります。

薬の種類 主な薬の名前 作用
気分安定薬 リチウム、バルプロ酸、カルバマゼピン 気分を安定させる
非定型抗精神病薬 クエチアピン、オランザピン、アリピプラゾール 症状を落ち着かせる
頓服薬 症状に応じて使用 急な症状を抑える/td>

これらの薬は脳内のバランスを整え、気分の安定を助けます。薬を選ぶときは、症状や体質、他の薬との相性を考慮します。

治療における重要なポイント

  • 医師の指示通りに薬を続ける
  • 定期的に血液検査を受ける
  • 副作用に気づいたらすぐ相談する
  • 気分の変化は遠慮せずに医師に伝える

軽躁状態の治療方法については、以下の躁状態に関する記事で詳しく解説しています。

軽躁状態を防ぐための予防策

軽躁状態の予防策と生活管理方法のイメージ図

軽躁状態の再発を防ぐことは、双極性障害の長期的な安定にとってとても大切です。日々の習慣や工夫で、症状の頻度や重さを減らすことができます

生活習慣による予防

規則正しい生活は、軽躁状態を防ぐための基本です。

  • 毎日決まった時間に寝て起きる
  • 食事の時間もできるだけ一定にする
  • 適度な運動を続ける
  • ストレスと上手く付き合う方法を身につける

気分の記録をつける

毎日の気分や体調を簡単にメモするだけでも、変化に気づきやすくなります。

  • 今日の気分(10段階くらいで)
  • 睡眠時間や眠りの質
  • 薬をきちんと飲めたか
  • ストレスの強さやその原因
  • 運動やお酒の量

これを続けると、軽躁状態の前兆に気づきやすくなります。

きっかけ(トリガー)を減らす

軽躁状態を誘発する原因を意識して避けることも大切です。

  • 季節の変わり目には特に気をつける
  • 睡眠不足にならないようにする
  • 強いストレスをためすぎない
  • お酒や薬の量を管理

まとめ

軽躁状態の管理とまとめポイント

軽躁状態は、双極性障害の大事なサインのひとつです。サインに早めに気づいて生活リズムを整えたり、大きな決断を控えたりすることで、生活への影響を小さくできます。

薬と生活習慣の両方を整えることで、長く安定した状態を保てる可能性が高まります。症状が続いたり、生活に支障が出てきたと感じたら、早めに専門の医師に相談しましょう。


気になることがあれば、どうぞ当院までお気軽にご相談ください。

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