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再休職の原因や予防方法、再休職時の退職手続きや傷病手当金について解説

再休職とは、一度職場復帰を果たした後に再び休職に至る状況を指します。近年、働き方の多様化やストレス社会の深刻化に伴い、再休職のケースが増加傾向にあります。特に、メンタルヘルス不調による再休職は大きな社会問題となっています。

労働者の健康と企業の生産性の両立が求められる現代社会において、再休職の問題は個人と組織の双方に大きな影響を与えています。働き方改革や健康経営の推進が叫ばれる中、再休職の予防と適切な対応は極めて重要な課題となっています。

目次

再休職の主な原因

再休職の主な原因として、最も多いのがメンタルヘルスの問題です。うつ病や不安障害、適応障害などの精神疾患が再発するケースが多く見られます。これらの疾患は完治が難しく、症状の波があるため、一度回復しても再び悪化するリスクが高いのが特徴です。

職場環境の影響も再休職の大きな要因となります。過度な業務負担やハラスメント、人間関係の軋轢などのストレス要因が解消されないまま復職すると、再び心身の不調をきたす可能性が高くなります。また、復職後のフォローアップ体制が不十分な場合、徐々に負担が増大し、再休職に至ることもあります。

個人的要因としては、ストレスマネジメントスキルの不足などが挙げられます。自身の状態を適切に把握し、必要な時に援助を求める能力が不足していると、問題が深刻化しやすくなります。また、完璧主義や過度な責任感など、個人の性格特性も再休職のリスクを高める要因となり得ます。

さらに、休職期間中の過ごし方も再休職に影響を与えます。適切な治療や療養を行わず、十分な回復を待たずに復職すると、再び体調を崩すリスクが高まります。休職中の生活リズムの乱れや、社会との接点の喪失なども、スムーズな職場復帰の妨げとなる可能性があります。

メンタルヘルス不調による再休職の深刻な実態

再休職率については、厚生労働省の再休職率に関する研究データが参考になります。これによるとメンタルヘルス不調による休職から復職した労働者の5年以内の再休職率は47.1%に上り、ほぼ半数の人が5年以内に再休職を経験しているのです(参照:主治医と産業医の連携に関する有効な手法の提案に関する研究)。

特に注目すべきは、再病休の原因の96%がメンタルヘルス不調であるという点です。これは、一度メンタルヘルスの問題で休職した人が、再び同様の理由で休職するリスクが非常に高いことを示しています。

うつ病の場合、再発率はさらに高くなる傾向があり、一度うつ病を経験した人の約50%が再発し、二度経験した人の約70%が再々発するという報告もあります。

この高い再休職率は、メンタルヘルス不調、特にうつ病の特性を反映しており、継続的なケアやサポートの必要性を示唆しています。

再休職のリスクと職場への影響

再休職は、個人のキャリアや生活に大きな影響を与えるだけでなく、職場全体にも様々な影響を及ぼします。個人にとっては、キャリアの中断や収入の減少、自信の喪失などが大きな問題となります。特に、再休職を繰り返すことで、将来的な昇進や給与面でのマイナスの影響を受ける可能性も高くなります。

職場にとっては、人員の不足や業務の滞り、他の従業員への負担増加などの直接的な影響があります。また、再休職者が出ることで、職場の雰囲気が悪化したり、他の従業員のモチベーションが低下したりする可能性もあります。さらに、再休職者への対応や復職支援にかかるコストも無視できません。

企業全体としては、生産性の低下や人材の流出、企業イメージの悪化などのリスクがあります。特に、再休職が頻発する職場は「ブラック企業」のレッテルを貼られかねず、優秀な人材の確保が難しくなる可能性もあります。

これらのリスクを考えると、再休職の予防と適切な対応は、個人と組織の双方にとって極めて重要な課題であることがわかります。メンタルヘルスケアや働き方改革など、予防的な取り組みを積極的に行うことが求められています。

再休職後の対応策と復職へのステップ

再休職が発生した場合、適切な対応と段階的な復職プロセスが重要です。まず、再休職の原因を正確に把握し、必要な治療や療養を十分に行うことが大切です。主治医との連携を密にし、症状の改善状況を慎重に見極めていく必要があります。

復職に向けては、以下のようなステップを踏むことが推奨されます:

  • 1. 主治医による復職準備性の判断
  • 2. 産業医面談による就業上の配慮事項の確認
  • 3. 職場の通勤訓練またはリワークプログラムへの参加(必要に応じて)
  • 4. 段階的な職場復帰(短時間勤務や軽作業から開始)
  • 5. 定期的なフォローアップ面談

特に、リワークプログラムの活用は再休職予防に効果的です。リワークプログラムでは、生活リズムの調整や対人関係スキルの向上、ストレスマネジメントスキルの習得など、職場復帰に必要な準備を体系的に行うことができます。

復職後は上司や人事部門、産業医などが連携して、定期的なフォローアップを行うことが大切です。業務内容や勤務時間の調整、ストレス要因の軽減など、個々の状況に応じた配慮を継続的に行っていくことが再休職の予防につながります。

再休職を防ぐための具体的な予防策

再休職を防ぐためには、個人と組織の両方が積極的に予防策を講じることが重要です。

まず個人が取り組むべき対策としては、まずセルフケアの実践が挙げられます。定期的にストレス解消法を取り入れることで、心身のバランスを保つことが期待されます。

また、規則正しい生活リズムを維持し、日々の睡眠や食事を安定させることも欠かせません。自己観察を習慣化し、心身の状態に敏感になっておくことも、予防に役立つでしょう。職場での円滑な人間関係を築くためにはコミュニケーションスキルの向上が必要ですし、業務の優先順位を見極めて効率的に進めるタイムマネジメント能力も重要です。

一方で、組織としては、従業員のメンタルヘルスに対する意識を高め、知識を習得させるための研修を行うことが有効です。また、上司や産業医との定期的な面談制度を導入することで、問題の早期発見と迅速な対応が可能になります。

職場環境の改善も不可欠で、ハラスメント対策や長時間労働の是正などに取り組むことが求められます。加えて、在宅勤務やフレックスタイム制など、柔軟な働き方を導入することで、従業員のストレスを軽減することができるでしょう。

さらに、復職支援プログラムの充実も再休職予防に役立ちます。段階的に復職を進めるプロセスや、継続的なフォローアップ体制を整えることで、スムーズな職場復帰がサポートされるでしょう。

リワークプログラムを活用して、専門的なサポートを受けながら復職に向けた準備を行うことも効果的です。これらの対策を組み合わせて実施することで、再休職のリスクを大幅に低減させることが期待できます。

リワークプログラムの効果とメリット

再休職を防ぐためにはリワークプログラムの活用が非常に効果的です。これはリワークプログラムを通じて自己理解が深まり、職場でのストレスを適切に管理するためのスキルを習得することができるためです。

さらに、リワークプログラムは再発予防にも重要な役割を果たします。精神疾患は再発率が高いことで知られていますが、プログラムに参加することで病気や症状についての理解を深め、再発の兆候を早期に察知する能力を向上させることができます。これにより、再休職につながる再発を効果的に防止できます。

また、リワークプログラムは参加者の自信を回復させ、精神的安定の向上にも期待が持てます。休職中に自信を失ったり、職場復帰に不安を感じることが多いですが、プログラムを通じて徐々に能力を取り戻し、自己効力感を高めることができます。これにより、復職後も職場での適応が円滑に進み、再び休職するリスクを減少させることができます。

企業にとっても、リワークプログラムは再休職を防ぐための重要な取り組みとなります。従業員が安定して復職できれば、組織全体の生産性を維持しやすくなり、メンタルヘルスへの取り組みが他の従業員の安心感にもつながります。結果として、職場環境の改善と再休職の防止に寄与することが期待されます。

リワークプログラムのより具体的な内容や利用時の流れについては以下の記事で解説しています。

リワークとは?精神科でのリワークの基本概念や目的、注意点を解説

当院のリワークプログラムについて

当院では、再休職予防に効果的な2種類のリワークプログラムをご用意しています。

  1. 通勤訓練コース:約1ヶ月間の短期プログラムで、生活リズムの回復と働く感覚の取り戻しに焦点を当てています。
  2. リワーク標準コース:最短4ヶ月から利用可能な包括的な復職支援プログラムで、休職の経緯を深く振り返り、再休職予防に重点を置いています。

両コースとも、段階的に通所日数を増やしていき、個別のニーズに応じたサポートを提供します。特に、リワーク標準コースでは「再休職予防レポート」の作成を通じて、自身の不調のサインや対処法を明確化し、復職後の自己管理に役立てることができます。

再休職時に傷病手当金はもらえるのか?

再休職の場合でも、休職期間の通算が1年6ヶ月以内の場合は傷病手当金を受給することが可能です。2022年1月の法律改正により、傷病手当金の支給期間および条件等が以下のように変更されました。

1. 支給期間の変更

同一の疾病または負傷に対して、支給開始日から通算して1年6ヶ月まで支給されるようになりました。これは休業と復職を繰り返す場合でも適用され、累計の受給期間が1年6ヶ月に達するまで受給可能です。

2. 再休職時の受給条件

同一疾病による再休職の場合、3日間の待機期間なしで即時に受給を再開できます。ただし、通算受給期間が1年6ヶ月を超えない範囲内に限ります。

3. 異なる疾病の場合

再休職が新たな疾病によるものであれば、再び1年6ヶ月の受給期間が設定されます。ただし同じ疾病の場合でも、一旦治癒し相当期間就業後に再発した場合は、新たな疾病として扱われる可能性があります。

4. 傷病手当金対象者の経過措置

2020年7月2日以降に受給を開始した方は、新制度の対象となります。2020年7月1日以前に受給を開始した方は、従来通り受給開始から1年6ヶ月で打ち切りとなります。

5. 注意点

同一疾病か否かの判断は保険者が行います。また再発や転移は同じ病気(同一傷病)として扱われます。

再休職時の傷病手当金受給については、状況によって判断が異なる場合があります。不明な点がある場合は、必ず加入している健康保険の窓口や社会保険労務士に相談し、正確な情報を得ることが重要です。

再休職と退職・解雇について

再休職が続く場合、退職や解雇の不安を感じる方も多いでしょう。しかし、病気を理由とした安易な解雇は労働法規上認められていません。

再休職時の退職に関しては、本人の意思が最も重要です。体調や今後のキャリアを慎重に考慮し、主治医や産業医、家族と相談しながら決断することが大切です。

一方、解雇については、以下のような場合に正当化される可能性があります:

  1. 療養期間が長期に及び、回復の見込みが立たない場合
  2. 頻繁な休職により、職務遂行に著しい支障がある場合
  3. 会社が提示した配慮措置(配置転換など)を正当な理由なく拒否した場合

ただしこれらの判断は慎重に行われるべきで、個々の状況を総合的に考慮する必要があります。

再休職を予防し、職場復帰を成功させましょう

再休職は個人のキャリアや生活、そして企業にとっても大きな影響を及ぼす問題です。1度休職した人の約半数が5年以内に再休職を経験するという現状を踏まえ、その予防と適切な対応が急務となっています。

再休職を防ぐためには、個人のセルフケアや組織的な支援体制の整備、そしてリワークプログラムの活用が効果的です。また、再休職時の経済的不安や雇用に関する懸念についても、正しい知識を持ち、適切に対処することが重要です。

一人で抱え込まずに、専門家のサポートを受けながら、着実に職場復帰への道を歩んでいくことをおすすめします。当院のリワークプログラムでは、経験豊富なスタッフが個々の状況に応じた総合的なサポートを提供し、再休職のリスク軽減と安定した職業生活の実現をお手伝いします。

職場復帰に不安を感じている方、再休職を防ぎたい方は、ぜひご検討ください。

惟心会りんかい月島リワークセンター
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