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涙もろくなった原因はうつ病かも?症状や見分け方、対策を解説

涙もろくなった女性の横顔
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最近、テレビCMを見ているだけで涙が出たり、ちょっとした言葉に感動して泣けてきたり…。そんな風に自分が涙もろくなったと感じることはありませんか。これまで平気だったことに感情が揺さぶられ、思わず涙がこぼれる経験は誰にでもあるものです。

しかし、急に涙もろくなった場合、それはただの感受性の変化ではなく、うつ病などの精神疾患の初期症状かもしれません。涙もろさは、脳内の感情をコントロールする機能に変化が生じている可能性を示すサインの一つと考えられます。

この記事では、涙もろくなることとうつ病の関連性、見分け方、その他の精神疾患との関係について、精神医学の観点から解説していきます。

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目次

涙もろくなるのはうつ病のサインかもしれません

涙を流す女性とうつ病の初期症状

「最近、何だか涙もろくなった」と感じる変化は、実はうつ病の初期症状である可能性があります。うつ病は単なる「気分の落ち込み」ではなく、脳の神経伝達物質のバランスが崩れることで引き起こされる疾患です。

日本では約15人に1人がうつ病を経験するとされており、年々増加傾向にあります。2017年の調査では、気分障害の患者数は124.6万人と報告されており、15年前と比較して約2倍に増えているのです。

うつ病になると、感情をコントロールする機能が低下し、ちょっとしたことで涙が出やすくなります。これは脳内のセロトニンという神経伝達物質の機能低下によるもので、感情のバランスを保つことが難しくなってしまうでしょう。

うつ病の初期症状としての涙もろさ

うつ病の初期症状として涙もろくなった状態を示す心理イメージ

うつ病の初期症状は多岐にわたりますが、涙もろさはその代表的なサインの一つです。うつ病では精神症状だけでなく、身体症状も現れるため、総合的に見ていく必要があります。

精神面では、憂うつな気分や何をしても楽しくないという無快感、自分を責めてしまう傾向、思考力や集中力の低下などが挙げられます。特に「何をしても楽しくない」という状態や「自分には価値がない」という自己否定感は、うつ病の核心的な症状と言えるでしょう。

身体的には、食欲の変化や睡眠の問題が顕著に現れます。疲れているのに眠れなかったり、逆に一日中眠かったり。また、朝に特に気分が悪くなる「朝方悪化」も特徴的です。体のだるさや疲労感、頭痛や胃腸の不調なども見られます。うつ病では脳の機能変化が全身に影響するため、こうした身体症状が出現するのです。

周囲の人から見ると、表情が暗く沈んでいたり、反応が遅くなったりする変化に気づくことも多いでしょう。そして、以前は平気だったことで涙ぐむ姿は、特に周囲から見て分かりやすいうつ病の初期サインとなっています。

うつ病かどうかの見分け方

うつ病と通常の涙もろさの違いを比較

うつ病を疑うべき症状の期間

誰でも一時的に気分が落ち込んだり、涙もろくなったりすることはあります。では、それがうつ病かどうかを見分けるポイントは何でしょうか。

最も重要なのは症状の持続期間です。一般的に、抑うつ気分や興味・喜びの喪失といった症状が、ほぼ一日中続き、それが2週間以上継続する場合、うつ病の可能性が高くなると考えられます。

一時的な悲しみや落ち込みは、数時間から数日で回復することが多いものです。でも、うつ病ではその状態が長引きます。「ここ2週間ずっと涙もろい」という状態が続いているなら、専門家に相談してみる価値があるでしょう。

通常の涙もろさとうつ病による涙もろさの違い

通常の涙もろさとうつ病による涙もろさには、いくつかの違いがあります。

普通の涙もろさは、感動的な映画のワンシーンや心温まるエピソードなど、特定の状況で起こることが多いでしょう。一方、うつ病では特にきっかけがなくても、ふと涙がこぼれることがあります。「なんで泣いているのかわからない」という状態になることも少なくありません。

また、通常の感情反応は比較的短時間で落ち着くものですが、うつ病による涙もろさは長時間続くことも。そして何より、うつ病による涙もろさには、不眠や食欲低下、疲労感など他の症状も同時に現れることが特徴的です。

涙もろさと併せて確認すべき他の症状

涙もろさだけでうつ病かどうかを判断するのは難しいでしょう。以下のような症状も一緒に確認してみることをお勧めします。

  • 睡眠の問題(寝付けない、途中で目が覚める、朝早く目覚める)
  • 食欲の変化(減退または増加)
  • 意欲の低下(何もする気が起きない)
  • 集中力や決断力の低下
  • 自責感や無価値感の増大
  • 不安や焦燥感
  • 身体的な不調(頭痛、腰痛、胃腸の不調など)

これらの症状のうち複数が2週間以上続くようなら、うつ病の可能性を考え、専門医に相談することをおすすめします。

うつ病以外で涙もろくなる精神疾患

適応障害や自律神経失調症など涙もろさを引き起こす精神疾患を表現したイメージ

涙もろさはうつ病だけでなく、他の精神疾患でも見られることがあります。代表的なものをいくつか紹介しましょう。

適応障害と涙もろさの関連

適応障害は、特定のストレス因子に対する過剰な心理的反応です。転職や離婚、病気など明確なきっかけがあり、そのストレスに対して心や体が適応できずに起こることが多いでしょう。

この障害の特徴は、原因となるストレスが特定できること、症状がストレス発生から3か月以内に現れること、通常はストレス因子が解消されると症状も改善することなどが挙げられます。また、症状の程度がストレスの大きさに比べて過剰であることも特徴です。

職場環境の変化や人間関係のトラブルなど、具体的な出来事の後に涙もろくなった場合は、適応障害の可能性も考えられるかもしれません。

自律神経失調症による感情の不安定さ

自律神経失調症は、交感神経と副交感神経のバランスが崩れることで起こる状態です。様々な身体症状とともに感情の不安定さも引き起こします。

この症状による涙もろさの特徴として、動悸やめまい、頭痛、胃腸障害などの身体症状が一緒に現れることが多いでしょう。また、ストレスや疲労が溜まりやすい時期に悪化したり、十分な休息を取ると改善したりすることも。天候や気圧の変化で症状が変動することもあるのが特徴的です。

長時間労働や睡眠不足が続いているときに涙もろくなるといった場合、自律神経のバランスが崩れている可能性があるかもしれません。

双極性障害(躁うつ病)でみられる感情変化

双極性障害は、うつ状態と躁(または軽躁)状態を繰り返す疾患です。うつ状態の時には涙もろさが見られることがあります。

この障害の特徴的な点は、気分の上下動が大きく、高揚感と落ち込みを周期的に繰り返すことです。うつ状態の時に涙もろくなりますが、躁状態では逆に感情が高ぶります。睡眠時間が極端に減るにもかかわらず、エネルギッシュに活動する時期があったり、浪費や危険行為などの衝動的な行動が見られたりすることもあるでしょう。

過去に異常なほど活動的で、睡眠時間が少なくても元気だった時期があり、現在は涙もろくなっているという場合は、双極性障害の可能性も考えられます。

ホルモンバランスの乱れと涙もろさ

ホルモンバランスの変化が感情に与える影響を示す医療イラスト

涙もろさは、ホルモンバランスの変化によっても引き起こされることがあります。特に女性ホルモンの変動が影響することが多いですが、ストレスホルモンも感情の変化に大きく関わっています。

女性の場合、月経前症候群(PMS)や更年期障害で情緒不安定になり、涙もろくなることが少なくありません。エストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンは、脳内の神経伝達物質の働きにも影響を与えるため、ホルモンの変動が直接感情の変化につながるのです。

また、ストレスが続くとコルチゾールなどのストレスホルモンが過剰に分泌され、感情のコントロールが難しくなることもあるでしょう。こうしたホルモンバランスの乱れは一時的なこともありますが、長期間続く場合は精神疾患の背景要因となる可能性もあるので注意が必要です。

心理的特性と涙もろさの関係

HSPや繊細な性格特性と涙もろさの関連を表す心理イメージ図

涙もろさには、その人の生まれ持った心理的特性も関係していることがあります。それを見ていきましょう。

HSP(感受性の高い人)と涙もろさ

HSP(Highly Sensitive Person)とは、外部からの刺激に対して感受性が高く、細かい変化にも敏感に反応する特性を持つ人のことです。人口の約15~20%がこの特性を持つと言われています。

HSPの人は、環境の微妙な変化に気づきやすく、他者の感情や気分に敏感に反応する傾向があります。物事を深く考え、感情を強く感じることが多いでしょう。また、刺激の多い環境では疲れやすく、芸術や音楽に深く感動しやすいという特徴もあります。

生まれつき感受性が高いHSPの人は、感動的な場面や悲しい場面で涙もろくなりやすいと考えられます。これは病気ではなく、その人の個性なのです。

繊細さが生む涙 – 感情表現としての泣くこと

繊細で真面目な性格の人は、日々の出来事に深く心を動かされ、それが涙という形で表れやすい傾向があります。完璧を求める人や責任感の強い人、他者の気持ちに寄り添える共感力の高い人ほど、感情の起伏も大きくなりがちです。

こうした繊細さは決して弱さではありません。むしろ世界の機微を敏感に感じ取り、深く理解できる素晴らしい特性です。ただ、その分だけ心が揺れ動きやすく、喜びも悲しみも強く感じてしまうのかもしれません。

言葉で気持ちを表現するのが苦手な方ほど、感情が自然と涙となって溢れ出すこともあります。それは言葉を超えた、純粋な感情表現の一つの形なのです。

感情移入しやすい人の特徴と対処法

感情移入しやすい人は、他者の喜びや悲しみを自分のことのように感じる能力に長けています。こうした特性を持つ人は、映画や小説などのフィクションにも深く没入しやすいでしょう。他者の悩みや苦しみを聞くと自分も辛くなってしまうことがよくあります。

人間関係が豊かである一方で、感情的な疲労も感じやすく、他者の感情に影響されやすいという特徴もあります。また、共感によって疲れる「共感疲労」を起こしやすい傾向もあるかもしれません。

  • 自分と他者の感情を区別する「境界設定」を意識する
  • 定期的に静かな時間を作り、感情をリセットする
  • 自分自身を労わる時間を意識的に持つ

こうした特性を持つ人が涙もろくなった場合、必ずしも精神疾患を意味するわけではありません。しかし、感情移入による疲労が溜まると、精神的な不調につながることもあるので注意が必要です。

まとめ:涙もろさとうつ病の関連を理解する

涙もろくなることは、豊かな感受性の表れである場合もあれば、うつ病などの精神疾患の初期症状である可能性もあります。特に、涙もろさが2週間以上続き、睡眠の問題や食欲の変化、意欲の低下などの症状を伴うなら注意が必要でしょう。

心配な症状が続く場合は、一人で悩まず精神科や心療内科に相談することをおすすめします。当院では、患者さん一人ひとりの状態に合わせた丁寧な診療を心がけており、涙もろさに関する悩みにも適切に対応いたします。早期発見・早期治療により、多くの場合症状は改善します。

あなたの「涙もろくなった」という変化は、心と体からの大切なメッセージかもしれませんよ。そのサインを見逃さず、必要な時には専門家の力を借りることで、心の健康を取り戻せるよう、私たちがサポートします。

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