ゾフルーザの予防投与の効果・期間・費用や保険適用条件、副作用を解説

インフルエンザシーズンが到来すると、「家族が感染してしまった」「職場で流行している」といった状況で、自分も感染してしまうのではないかと不安になりますよね。そんな時に選択肢の一つとなるのが、ゾフルーザの予防投与です。
ゾフルーザは従来の治療薬とは違う働き方をするため、予防目的での効果にも注目が集まっています。しかし予防的使用については「本当に効果があるの?」「費用はどのくらいかかる?」「保険は使えるの?」など、気になることも多いのではないでしょうか。
そこでこの記事ではゾフルーザ予防投与の効果や持続期間、費用の目安、保険適用の条件をはじめ、小児や受験生、高齢者での使い方、副作用の注意点までわかりやすく解説します。大切な予定や家族の健康を守りたい方は、ぜひ参考にしてください。
ゾフルーザを使った予防投与とは

ゾフルーザの予防投与とは、インフルエンザにかかる可能性を減らすため、症状が出る前にあらかじめ薬を飲む方法です。
ゾフルーザは2018年に発売された、比較的新しい抗インフルエンザ薬です。アメリカでは2020年12月に、予防目的での使用も正式に認められています。
従来のタミフルやイナビルと違い、ウイルスが体の細胞の中で増えるのを直接防ぐ働きがあります。この作用によって、ウイルスの数が増えるのを抑え、感染の広がりを防ぐことができます。
新しい薬であるため、予防投与についても研究が続けられており、安全性や効果は少しずつ確かめられています。実際に使うかどうかは、医師と相談して決めることが大切です。
ゾフルーザの予防効果と持続期間

ゾフルーザの予防的使用における効果と持続期間について、具体的なデータをもとに解説します。
発症リスクを下げる臨床試験データ
海外の臨床試験では、ゾフルーザを予防目的で飲むとインフルエンザにかかる確率が大きく減ることが分かっています。
- 偽薬(プラセボ)を飲んだ人:発症率 約14%
- ゾフルーザを飲んだ人:発症率 約3%(約86%減少)
特にインフルエンザ患者と接触してから48時間以内に服用すると、さらに高い効果が期待できます。
ただし100%予防できるといったものではないため、基本的な感染対策(手洗い、マスク着用など)もきちんと行いましょう。
効果が持続する日数と再投与目安
ゾフルーザを予防目的で飲んだ場合、1回の服用でおよそ10日間の効果があります。これはウイルスの潜伏期間や、感染力のある期間を考慮して設定された日数です。
もし10日を過ぎても感染リスクが続く場合、医師と相談してもう一度飲むことを検討します。ただし、連続して服用すると体への負担や副作用の可能性もあるため注意しましょう。
再投与のタイミングは、人それぞれの生活環境や体調によって変わります。家庭や職場の感染状況、持病の有無などを総合的に考えて判断します。
予防中に発症してしまった場合の対応
ゾフルーザを予防投与していても、まれにインフルエンザを発症してしまうことがあります。その場合すでに薬を服用しているため、追加の治療薬を使うかどうかは慎重に判断しなければなりません。
- 発症が分かったらできるだけ早く医療機関を受診し、「予防のためにゾフルーザを飲んでいる」ことを必ず医師に伝えてください
そのうえで症状の重さや経過を見ながら、適切な治療方法を決めます。
予防中に発症した場合は、症状が軽くすむ傾向があると報告されていることから、重症化を防ぐ効果も期待できます。
予防投与の服用タイミング・飲み方・用量

続いてゾフルーザを予防目的で使うときの効果的な飲み方や服用タイミングについて説明します。
接触後にいつ飲むべきか(理想のタイミング)
もしインフルエンザ患者と接触したら、ゾフルーザをできるだけ早く服用してください。理想は接触から48時間以内です。
時間が経つほど予防効果は下がるため、「感染したかもしれない」と思ったら早めに医療機関を受診しましょう。
特に家族の中で感染者が出た場合、同居する家族全員が濃厚接触者になります。症状が出る前に服用することが予防効果を最大限にするポイントです。
年齢・体重による用量の違い
ゾフルーザを予防目的で使う場合の用量は、年齢と体重で細かく分けられています。正しい量で服用することが、安全性と効果を両立させるポイントです。
年齢・体重条件 | 錠数(1回分) |
---|---|
12歳未満・20〜40kg未満 | 1錠 |
12歳未満・40kg以上 | 2錠 |
12歳以上・80kg未満 | 2錠 |
12歳以上・80kg以上 | 4錠 |
服用量は体重に応じて変わるため、受診時には正確な体重を伝えることが大切です。特に成長期のお子さんは、最新の体重をもとに医師が用量を決めます。
服用方法と必要な錠数・容量
ゾフルーザは経口薬として、水またはぬるま湯と一緒に服用します。食事の影響を受けにくいため、食前・食後を問わず服用できるのが特徴です。
- 錠剤は噛まずにそのまま飲み込んでください
- 複数錠服用する場合は、一度にまとめて服用しても、少しずつに分けて服用しても構いません
服用後は特別な制限はありませんが、体調の変化に注意を払い、異常を感じた場合は速やかに医療機関に連絡してください。
保険適用と自費診療の違い

ゾフルーザの予防投与は、日本では基本的に自費診療です。国内では予防目的での使用が正式に承認されていないため、保険は原則適用されません。
ただしごく一部の医療機関では、濃厚接触者や基礎疾患がある方、高齢者など特定の条件で保険が使える場合があります。判断は医療機関によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。
自費での金額例
費用は年齢と体重によって異なりますが、以下は当院の例になります。
年齢・体重条件 | 錠数 | 費用目安(税別) |
---|---|---|
12歳未満・20〜40kg未満 | 1錠 | 約8,000円 |
12歳未満・40kg以上 または 12歳以上・80kg未満 | 2錠 | 約10,500円 |
12歳以上・80kg以上 | 4錠 | 約15,500円 |
費用は安くはありませんが、受験や大切なイベントを控えている場合、または感染リスクの高い環境にいる場合は検討する価値があるといえるでしょう。
小児・受験生・高齢者での使用

特別な配慮が必要な年齢層でのゾフルーザ予防的使用について詳しく説明します。
小児に対するゾフルーザ予防投与の使用と安全性
小児に対するゾフルーザの使用は、12歳以上では大人と同じように安全性が確認されています。12歳未満でも体重が20kg以上あれば使えますが、より慎重な判断が必要です。
海外の臨床試験では小児でも重い副作用はほとんど報告されていません。ただし、大人と比べて薬の代謝の仕方が異なるため、用量の調整が重要です。
小児への予防投与については以下の点を総合的に考えて判断する必要があります。
- 家族内での感染リスク
- 基礎疾患の有無
- 学校行事や受験など、控えている大事な予定
受験生や家族内感染予防での活用例
受験シーズンは、ゾフルーザの予防投与への関心が特に高まります。試験前に感染してしまうと人生に大きな影響を与えるため、家族が感染した場合に受験生へ予防投与を検討することがあります。
特に共通テストや私立大学の入試が集中する1〜3月は、需要が増える時期です。
ただし前述の通り、ゾフルーザはあくまで補助的な予防手段です。次のような基本的な感染対策と併用しながら活用しましょう。
- 手洗い
- マスク着用
- 栄養バランスの取れた食事
- 十分な睡眠と休養
高齢者・基礎疾患がある方の注意点
高齢者や基礎疾患のある方は、インフルエンザが重症化しやすいため、予防投与のメリットが大きいといえます。特に次の持病がある場合は積極的な予防が推奨されます。
- 心臓病
- 呼吸器の病気
- 糖尿病
- 免疫力が低下している状態
高齢者は薬を分解・排泄する力が弱まっていることがあり、副作用のリスクが上がります。また、他の薬との飲み合わせにも注意が必要です。
基礎疾患のある方は、主治医と相談のうえ、病気の状態や服薬状況を踏まえて総合的に判断します。
ゾフルーザの予防投与における副作用と注意点

ゾフルーザの予防投与で起こる可能性のある副作用や、注意すべきケースをまとめます。
主な副作用
発生頻度の目安 | 症状例 |
---|---|
約1% | 下痢、吐き気(悪心) |
1%未満 | 頭痛、嘔吐 |
非常にまれ | 重い副作用(臨床試験での報告ほぼなし)、異常行動のリスクは極めて低い |
これらの多くは軽く一時的な症状ですが、服用後に体調の変化を感じたら早めに医療機関へ相談しましょう。
使用を避けるべきケース
以下に当てはまる場合は医師とよく相談し、必要に応じて別の方法を検討してください。
- ゾフルーザにアレルギーがある方
- 重い肝臓や腎臓の病気がある方
- 妊娠中・授乳中(安全性の情報が少ないため)
- 体重20kg未満の小児
- 他の薬を服用していて相互作用の可能性がある方
他の予防投与薬(イナビル・タミフル)との比較
インフルエンザの予防投与に使われる主な薬には、ゾフルーザのほか、タミフル(オセルタミビル)やイナビルがあります。
服用方法や回数、効果の持続期間、費用には違いがあるため、状況に応じた選択が必要です。下記は当院での処方例と費用の目安です。
薬剤名 | 剤形 | 服用回数 | 効果期間 | 費用目安(税別) |
---|---|---|---|---|
オセルタミビル(タミフルジェネリック) | 経口薬 | 1日1回×10日間 | 計10日間 | 約7,500円 |
イナビル | 吸入薬 | 1回 | 1回で10日間 | 約7,500〜9,500円(年齢による) |
ゾフルーザ | 経口薬 | 1回 | 1回で10日間 | 体重・年齢により異なる(詳細は別項) |


ゾフルーザの予防投与を受ける方法

実際にゾフルーザの予防投与を受けるための手順と方法について説明します。
受診から処方まで
ゾフルーザの予防投与は一般的な内科や病院でも処方できますが、まず予防投与に対応しているかを事前に確認すると安心です。
受診時には以下の情報を医師に伝えましょう。
- インフルエンザ患者との接触状況
- 接触からの経過時間
- 現在の体調
- 服用中の薬
これらをもとに医師が予防投与の適否を判断します。処方が決まったら、服用方法や注意点について説明を受けます。
オンライン診療での処方
ゾフルーザの予防投与は、来院せずにオンラインで処方を受けられる医療機関もあります。遠方に住んでいる方や、忙しくて通院が難しい方でも、自宅や職場から利用できるのが特徴です。
当院でもオンライン診療に対応しており、以下の流れでスムーズに処方を行っています。
- LINEで当院を友だち登録
- 約3分の事前問診に回答
- 約30秒のビデオ診察
- 最短で即日発送(品名欄は「感冒薬」と記載)
- 24時間受付可能
- 登録無料
- 薬は最短即日で自宅や指定先へ配送
忙しい受験生や働く世代でも、移動時間をかけずすぐに必要な医療を受けられます。感染しているかもしれないと感じたら、ぜひ検討してみてください。
薬の受け取り
- 対面診療:診察後、院内処方または院外処方箋で薬を受け取ります。
- オンライン診療:診察後に発送手続きを行い、宅配便で自宅や指定場所にお届けします。
薬を受け取ったら必ず説明書を読み、用法・用量を守って服用してください。
まとめ|必要性を見極めて早めに相談を

ゾフルーザの予防投与は、インフルエンザの感染リスクを大きく下げられる有効な方法です。1回の服用で約10日間効果が続くため、受験や出張、家族の大事な予定などを控えている方、基礎疾患がある方にとっても心強い選択肢となります。
ただし多くの場合は自費診療となるため一定の費用負担があること、また副作用のリスクもゼロではないことから、「本当に必要な状況か」を見極めることが大切です。
感染の恐れがあるときは、接触から48時間以内の服用が理想です。迷っている間に時間が過ぎてしまうと効果は下がってしまうため、「どうしよう」と感じたら早めの相談がおすすめです。
当院では24時間対応のオンライン診療を行っており、自宅や職場からでもすぐにご相談いただけます。移動や待ち時間なく、最短で即日発送も可能です。
今すぐLINEから相談して、あなたや大切な人を守る行動を始めませんか。