コラム

メトホルミンの通販・個人輸入は危険?法律・偽造品リスクと適切な入手方法

メトホルミンを通販や個人輸入で手に入れられないか、と考える方がいます。病院に行く時間がない、費用を抑えたい、といった事情もあるでしょう。

結論から言うと、メトホルミンは医師の処方が必要な薬で、通販や個人輸入で買うことはおすすめできません。偽造品や品質の問題、副作用が起きたときの救済、診察なしで使う危険があるためです。この記事では、法律面とリスク、安全な入手方法を整理します。

目次

メトホルミンはどんな薬?市販・通販で買える?

薬局のイメージ

メトホルミンは、ビグアナイド系の飲み薬です。日本で承認されている使い方は、2型糖尿病と、多嚢胞性卵巣症候群での排卵誘発などです。劇薬・処方箋医薬品に指定されています。出典:メトグルコ添付文書(JAPIC・KEGG掲載)。

そのため、処方箋なしで、ドラッグストアや一般の通販サイト(Amazon、楽天など)から適法に買うことはできません。ダイエットや体重管理を目的とした使い方は、承認されていません。

メトホルミンの個人輸入は違法?ルールを確認

書類と荷物のイメージ

厚生労働省は、個人輸入について次のように案内しています。出典:厚生労働省「医薬品等の個人輸入について」。

  • 個人が自分で使うために輸入する場合は、原則として地方厚生局に書類を出し、営業のための輸入でないことの証明を受ける
  • 一定の範囲内であれば、特例として税関の確認を受けて輸入できる
  • 毒薬・劇薬・処方箋薬は、用法・用量からみて1か月分以内。ほかの医薬品は2か月分以内
  • 輸入した薬を他人に売ったり、譲ったりしてはいけない。他人の分をまとめて輸入することも認められない

メトホルミンは劇薬・処方箋医薬品なので、数量の目安は用法・用量からみて1か月分以内です。ただし、輸入の可否や必要な手続きは品目や数量によって異なります。最新の案内は、厚生労働省や地方厚生局で確認してください。

ただし、「輸入できる」ことと「安全に使える」ことは別の話です。個人輸入した薬が合法の範囲に収まっていても、品質や使い方の安全は保証されません。

個人輸入で起こりうるリスク

注意を促すイメージ

偽造品・品質不良の混入

世界保健機関(WHO)は、無許可のサイトなどでのオンライン販売が広がり、偽造・品質不良の医薬品が消費者に届きやすくなっていると指摘しています。WHO fact sheet: Substandard and falsified medical products。成分が入っていない、量が違う、異物が混ざっているといった可能性があり、錠剤の見た目だけで本物か判断するのは困難です。

副作用が起きても、救済制度の対象になりにくい

PMDAの「医薬品副作用被害救済制度」は、国内で製造販売の承認を受けた医薬品を、適正に使用したにもかかわらず起きた副作用による健康被害が対象です。出典:PMDA。海外から個人輸入した製品は、この条件に当てはまらず、対象にならない可能性が高いと考えられます。

診察なしで使う危険

メトホルミンは、腎機能や肝機能、飲酒、脱水などの状態によっては使えない薬です。診察や血液検査を受けずに飲み始めると、これらを確認できません。

服用中に気になる症状が出ても、相談できる医師がいない状態になります。とくに腎機能障害のある方は危険が高くなります。高齢の方は腎機能を確認しながらの慎重な判断が必要で、妊娠中・妊娠の可能性がある方には使えません。

日本語の情報が少ない

海外の製品は、説明書が外国語だったり、用量表示が国内の製品と違ったりします。飲んでいる薬との飲み合わせも確認しにくくなります。

メトホルミンの副作用と乳酸アシドーシス

体調を確認するイメージ

添付文書では、副作用として下痢(40.5%)、吐き気(15.4%)、食欲不振(11.8%)、腹痛(11.5%)などの消化器症状が載っています。まれに重い乳酸アシドーシスが起こり、死亡に至った例も報告されています。

腎機能障害、肝機能障害、脱水、過度の飲酒、感染症、高齢などは、乳酸アシドーシスの危険因子です。重い腎機能障害(eGFR 30未満)や重い肝機能障害のある方、妊娠中の方には使えません。出典:メトグルコ添付文書(JAPIC・KEGG掲載)。

定期的な腎機能・肝機能の検査が前提になる薬であることが、診察なしで使うべきでない大きな理由です。

適切な診察・処方を受けて手に入れる方法

医療機関で相談するイメージ

メトホルミンが必要かどうかは、医師が診察や検査で判断します。

  1. まず受診する:2型糖尿病が疑われる、または診断されている方は、内科・糖尿病内科などで診察と血液検査を受ける(排卵誘発について相談する場合は、婦人科などの担当医へ)
  2. 処方された薬を、薬局で受け取る:国内で承認された医薬品を、処方箋に基づいて受け取る
  3. オンライン診療を使う場合は、医療機関を確認する:医師による診察が行われるか、医療機関名・所在地・医師名が明記されているか、国内の薬局・医療機関から薬が届くかを確かめる

次のようなサイトは避けてください。

  • 診察なしで、カートに入れるだけで買えると書いてある
  • 運営者や所在地、連絡先がはっきりしない
  • 市場価格より極端に安い
  • 「ダイエット」「痩せる薬」として売っている

ダイエットや体重管理が目的の場合は、メトホルミンを探す前に、体重の相談ができる医療機関で、方法を相談してください。

糖尿病とこころの不調

相談のイメージ

糖尿病の治療は長く続きます。血糖コントロールの不安やストレスから、気分が落ち込んだり、眠れなくなったりする方もいます。身体の治療と並行して、気持ちの負担にも目を向けることが大切です。

惟心会(月島院・豊洲院)は、精神科専門医10名以上が在籍するクリニックです。気分の落ち込み、不安、不眠などについて相談できます。メトホルミンの処方や調整については、糖尿病を診ている医療機関にご相談ください。

まとめ

  • メトホルミンは劇薬・処方箋医薬品で、ドラッグストアや通販では買えない
  • 個人輸入は、量や手続きの決まりがある。劇薬・処方箋薬は1か月分以内で、他人に譲ることもできない
  • 偽造品の混入、救済制度の対象外になる可能性、診察なしで使う危険がある
  • 必要なときは、医師の診察と検査を受け、処方された薬を受け取る

よくある質問

メトホルミンを個人輸入して副作用が出たら、どうなりますか?

PMDAの医薬品副作用被害救済制度は、国内で承認を受けた医薬品を適正に使った場合が対象です。個人輸入した製品は対象にならない可能性が高く、救済給付を受けられないおそれがあります。

メトホルミンはドラッグストアや通販で買えますか?

処方箋なしでは適法に買えません。劇薬・処方箋医薬品なので、医師の処方箋が必要です。インターネット上で「買える」と書いているサイトは、避けてください。

個人輸入は日本の法律で認められていますか?

個人が自分で使うための輸入は、決められた範囲で認められています。メトホルミンのような劇薬・処方箋薬は、用法・用量からみて1か月分以内です。ただし、安全性や品質が保証されるわけではありません。

ダイエット目的でメトホルミンを使えますか?

メトホルミンは、2型糖尿病などの薬で、ダイエットや体重管理は承認された使い方ではありません。自己判断で入手して使うことは避けてください。

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